投稿:2017-11-29
| 更新:2020-02-11
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さあ、家庭菜園でも始めよう!と何もしていない土にタネや苗を植えても、おそらくうまく栽培できません。
それは、土が作物栽培に適した土になっていないからです。
管理されていない土は『粘土質』か『砂質』のどちらかになっていることが多いです。
どちらも栽培に適した土に改良することで、実りある菜園にすることが可能です。
粘土質の土の欠点
粘土質の土は雨が降るとドロドロ、乾くとカチカチになる有機物の少ない土です。
水はけと通気性の悪さが欠点です。
粘土質の土の改善方法
土づくり効果の高い植物質堆肥を利用すると改善されます。
とくにもみ殻堆肥は土の中に空気の隙間をつくるのでおすすめです。
最初だけ、1㎡当たりに10ℓ程度のもみ殻堆肥を畝全体に施してジャガイモやサツマイモなどを育てると土づくりが進みます。
粘土質の土は養分が留まりやすいので、肥料効果の高い動物質肥料は抑え気味に使用します。
もみ殻堆肥は肥料効果が低いので多めに施しても大丈夫です。
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砂質の土の欠点
海や川の近くに多いのが砂質の土で、保肥力と保水性の低さが欠点です。
養分と水分がすぐ流れていってしまいます。
砂質の土の改善方法
堆肥を毎年コツコツと土に施し、土中の有機物を絶やさないことが改善ポイントです。
分解に時間のかかるバーク堆肥や、もみ殻堆肥などを利用すると、しだいに粘り気が出てきて保肥力と保水性が次第に向上します。
1㎡あたり3ℓが基本の堆肥量の目安ですが、4~5ℓと少し多めに施して様子を見ます。
堆肥の種類は年によって変える
同じ堆肥を毎回使用すると、特定の養分だけが土中に留まります。
養分バランスが偏ると、生育不良や病気の原因になります。
年によって、使う堆肥の種類を変えてみましょう。
堆肥の量は年々減らしていい
畑に施された堆肥の養分は、1年ですべて使われるわけではありません。
毎年持ち越し分があり、土の中に溜まっていきます。
病害虫が増え、野菜が作りにくくなったと感じたら、堆肥の量を減らしてみるといいかもしれません。
まとめ
どのような性質の土でも、土壌改良をすることで作物栽培ができる土になります。
しかし半年や1年で、たくさんの微生物が住むようになり、養分が豊富になり、空気の隙間ができ、水はけ・水持ちがよくなるわけではなく、地道で長い長い時間をかける必要があります。
土壌の理想的な比率は、土 : 水 : 空気 = 4:3:3。答え合わせは、作物が教えてくれます。
手間がかからずに豊作であれば正解。
病害虫、生育不良に悩まされれば不正解で、土壌バランスが悪いという合図。
焦らずゆっくり土と農作物と会話しながら栽培しましょう。
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温暖化と家庭菜園
野菜は、日光が大好きです。特に夏野菜は日光と温度を要求しますが、昨今の猛暑、酷暑の中では気温の上がり過ぎにより、元気がなくなり成長が弱まったり、病害虫が多発したりします。日光は好きでも異常な暑さは好きではないようです。
地球温暖化が原因とされるこの暑さですが、下記写真資料にある通り1960年代から暑さが顕著になりはじめています。植物の進化はもっともっと長いスパンですから、温暖化のスピードに植物の進化が追い付いていないというのが現状のようです。
将来、人間にとっても植物にとっても過ごしやすい夏に戻ってくれるのが一番良いのですけど、どうなることやら。現状ではこの暑さにも負けない品種の改良を待つしかないのでしょう。
日本の夏は徐々に暑く、長くなっている (東洋経済ONLINEより)
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コラム 有機質肥料・完熟堆肥・ボカシ肥料のこと
野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。
注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。
有機物が投入されると活発になる微生物
微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します。
このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。
化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。
分解しやすい物質と分解しにくい物質
有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます。
有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。
さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。
分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。
どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)
有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。
水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。
腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。
腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。
ボカシのすすめ
発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。
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数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。
ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。
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Last Modified : 2020-02-11