投稿:2018-10-07
| 更新:2019-11-27
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2018年秋~2019年春のタマネギの栽培記録です。
種まき育苗から収穫までを記録します。
家庭菜園やプランター菜園でのタマネギ栽培の参考になれば幸いです。
今回使用するタマネギ品種はこちら↓
▷タマネギ 種 『猩々赤』を詳しく見てみる
タマネギ栽培 基本情報(中晩生)
《発芽適温》 15~20℃ 20℃で発芽日数7日
《生育適温》 15℃前後
《育苗期間》 株間1㎝ 本葉3~4枚 育苗日数55日
《収穫時期》 5月中旬~6月
10月7日 栽培日数0日 種まき
タマネギは、育苗床やプランターなどで苗を作って(約50~60日)から、畑に定植して栽培するスタイルです。
収穫は来年の春以降ですから、長い道のりです。
育苗箱に土を入れ、まき溝を7㎝間隔で3本作ります。

種まき用土を半分の高さほど入れてからタネを条まきします。
種まき用土は清潔なので何かと安心です。
この時点でタネに水がかかるように噴霧器を使って潅水しておきます。


タネが隠れる程度に種まき用土をかけて、種と土が密着するように軽く上から押さえます。
もう一度噴霧器を使ってたっぷりと潅水します。
4~5日で発芽する予定です。

10月13日 栽培日数6日 発芽
発芽しました。難しいといわれるタマネギの発芽を見れたことは嬉しいです。
発芽の間、気候が安定していたのが良かったですね。
まだまだ長丁場ですから、過湿と乾燥に注意しながら栽培していきます。

10月22日 栽培日数15日 間引き
草丈5~6cmになり1回目の間引きをしました。
混みあっている場所や同じところから発芽してしまっているものを間引きました。

11月11日 栽培日数35日 間引き
草丈が10㎝を超え株元もガッチリしてきました。
最終的に株間1.5㎝程になるように間引きしていきます。
もみ殻米ぬかボカシ肥を土表面にパラパラと追肥しました。

12月2日 栽培日数55日
栽培日数は55日とそろそろ定植の時期ですが、葉数3~4枚、株元の茎の直径5~6㎜にまだ達していません。
もうしばらく育苗させることとします。

12月24日 栽培日数78日 定植
育苗日数がだいぶ長くなりましたが、葉数が3~4枚になりましたので、少し太さが頼りないですが定植しました。
180㎝×60㎝×高さ10㎝の畝に株間15㎝で3条に植え付けます。
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育苗箱から苗を掘り出します。この時シャベルなどで根を傷つけないように気をつけます。
思ったよりしっかりした根だったので安心しました。
レッドオニオンなので既にその色が出てきています。
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根を切ることによって側根が多く生えるということなので、根の長さを5㎝に切りそろえます。
根切り定植します。
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苗は深植えせずに白い部分が土表面に出るように浅植えします。
株間15㎝、3条植えができました。
180㎝×60㎝×高さ10㎝の畝に3条×12で36株です。
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苗が余りましたので、コンパニオンプランツとは言いませんが、他の作物と混植します。
それぞれの組み合わせで結果がどうなるか、実験のようで面白いです。
タマネギには連作障害がほとんどないですから次作に影響がないので安心です。
スナップエンドウと混植 8株

ミニハクサイと混植 8株

ビワの木と混植 2株

イチゴと混植 3株

全部で57株植えました。
春まで長い道のりですが、ゆっくりと観察していきます。
12月29日 栽培日数83日
年末、天気も良いし家の大掃除で一日いるので、全ての畑のトンネルを外し思い切り日光を浴びてもらいました。
不織布の遮光率は10%もないですが、それでも遮っていることには変わりはないので、全解放です。

定植から5日経過しましたが、1株も枯れていません。
葉が直立したり、新しい葉が出てくるようになると根付いたことになります。

2019年1月12日 栽培日数97日
一見枯れたように見えますが、新しい葉がニョキニョキと生えてきているので大丈夫です。
葉が一本枯れて新葉が出るのが、うちのパターンのようです。
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土表面が固まっているのでミニ熊手でかいておきます。
こうすることで、土中にまで空気が通いやすくなり、根や微生物の呼吸を助けることができます。
昨年は黒マルチをして栽培しましたが、マルチは空気を遮りますから、今回は空気循環のことを考えてマルチ無しで試しています。

2019年3月3日 栽培日数147日 追肥
日に日に気温が上がって本格的な成長が始まったようです。
長い冬の間に根にため込んだ栄養を使って一気に球を大きくしていきます。
このタイミングで米ぬか・もみ殻堆肥の追肥をしました。以降の追肥は貯蔵性を悪くするので行いません。

2019年3月29日 栽培日数173日
葉が大きく長くなってきました。
これから春本番になり気温も上昇してきます。
球が大きくなってきている気配は見られませんが、これからが勝負でしょう。

2019年5月15日 栽培日数220日
栽培日数200日を超え、葉も太く長くなり、実も膨らんできています。が順調に育っている株と、そうでない株があります。
原因はわかりませんが、収穫まで残り数週間、みんな頑張って大きくなってくれえええ。
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2019年5月28日 栽培日数233日 収穫
先日降った雨と強風のために倒伏しました。タマネギは収穫適期になると茎の根元付近に空洞ができ、風などで茎葉が倒れ安くなるのです。
球の大きさも十分に大きいものもあるので収穫することとします。
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雨の予報なので、降らないうちに掘り起こします。
大小さまざまな大きさのタマネギが収穫できました。家庭菜園の範疇なのでこんなもので良いんです。
しばらく天日で干したかったのですが、倉庫でシートの上に並べて2.3日乾かします。
タマネギの匂いが広がります。良い香りです。
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2019年6月2日 栽培日数238日 球吊るし
倉庫内に干して4日、土も乾き葉の水分も抜けてきましたので、軒下に吊るし干しにします。
農家の軒下で見る光景です。ちょっとうれしくなります。
『猩々赤』品種は中晩生なので赤玉にもかかわらず貯蔵性があって8月末まで保存できるので便利です。
タマネギの保存方法、吊るし方については下記リンクをご覧ください。
🔗タマネギの保存

まとめ
タマネギ栽培は2シーズン目でした。タネから育苗したのは初めてでしたが、収穫までたどり着くことができて良かったです。
種まきから数えると8カ月の栽培期間があります。が、手がかかるのは種まきから定植までの育苗期間で、定植後は整枝や摘葉、支柱立て、トンネルなどの手間が一切かからないし、全体を通しても病害虫にやられることも殆どないでしょうから簡単に栽培できる野菜だと思います。
そしてなんといっても使い勝手の良さ!煮物、揚げ物、炒め物、いろんな料理に使いますから重宝します。
40個近く収穫しましたが、2か月を待たずに使い切ってしまうでしょう。
収穫前数週間で一気に球が大きくなります。この時土が硬ければ大きくなりづらいでしょう。作付け前にしっかり土を耕し、柔らかく空気の通る土にしておくことで根が多く張り、土中の養分を玉の肥大に送り込むことができるのです。
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参考文献
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よかったら読んでみてください。
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コラム 有機質肥料・完熟堆肥・ボカシ肥料のこと
野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。
注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。
有機物が投入されると活発になる微生物
微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します。
このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。
化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。
分解しやすい物質と分解しにくい物質
有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます。
有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。
さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。
分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。
どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)
有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。
水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。
腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。
腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。
ボカシのすすめ
発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。
🔗7日で完成 米ぬか・もみ殻 ボカシ・堆肥づくり/好気性発酵 はこちらから
数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。
ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。
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Last Modified : 2019-11-27