投稿:2018-10-31
| 更新:2019-11-27
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野菜の栽培にはつきものの病害虫。栽培環境や土の状態が良い中で元気に育つ野菜であれば、植物がもともと持っている免疫力で病害虫を寄せつけませんし、大きな被害に合うことはありません。ですから、薬剤に頼る前にまずは元気な植物を育てることが最も大事です。
しかし、気候変化や周囲の環境変化など、ちょっとしたことで栽培環境が変わり、病害虫の大発生に見舞われてしまうことがあります。
特に昨今の異常気象は、あっという間に栽培環境を大きく変えてしまうことで、植物に大きなストレスを与え、植物を弱らせ、病害虫被害が多発してしまう傾向にあります。
今回は、犯人はこいつ!一見害虫とは思えませんが幼苗、新芽が大好きな『ナメクジ』について調べてみました。
害虫と益虫
大事に育てている作物の花や葉、茎、根を食べたり、養分を吸汁して害を及ぼす虫を、その作物にとっての『害虫』といいます。
一方、カマキリ、クモ、テントウムシなどはそれらの害虫を捕食し、ミツバチやチョウは受粉の手助けをしてくれます。このようなその作物に有益な虫を『益虫』といいます。
農薬は、その作物に対する『害虫』だけを殺すことが出来れば万能薬ですが、残念ながら『益虫』までも殺してしまう可能性が多くあります。
また、農薬を使うことで、畑の生態バランスを崩す可能性があり、余計な病害虫を増やすことになりかねません。乱用することで虫に耐性ができ、薬が効かなくなることだってあります。
ですから薬剤の使用は、残留農薬の問題、環境への問題も含め、最小限にとどめたいものです。
病害虫にやられるきっかけ
植物の葉や根の周囲では、数億いる微生物の中でも乳酸菌などの有用微生物(善玉菌)が数的優位な状態でバランスを保っています。
この状態であれば、土中環境が健全であるので、植物の根は活発に栄養分を吸収でき、植物全体が元気になり、植物のもともと持っている抵抗力や自然免疫力が発揮され、病害虫にやられることなく植物は元気に育ちます。
ところが、気候変化(異常気象)、肥料過多、肥料不足、ストレス、老化などで抵抗力が弱くなると微生物バランスが崩れ、悪玉菌が数的優位になることで病害虫の攻撃にやられるようになってしまいます。
ゆえに
病害虫にやられない = 植物を元気に育てる = 有用微生物の多様性を保つ
といえそうです。
ナメクジ
↓虫を判別するにはこちらが参考になります
🔗昆虫エクスプローラ
🔗病害虫・雑草の情報基地
《被害症状》
新芽や若い葉を好んで食害します。食害された部分は丸い穴が開きます。
幼苗期に被害にあうと苗そのものが食べられてしまったり、生育が止まってしまいます。
イチゴは地際に実るため、丸い穴を掘ったように食べられてしまいます。
《生態》
卵は土中や鉢底などに産みつけられ、半透明で2〜3ミリ前後の円形や楕円形をしています。
乾燥に弱く、昼間は鉢底など湿っぽい場所に隠れています。暗くなってから半径数メートルの範囲で活動し、朝になると元の鉢底に戻ってきます。
這った跡にナメクジ特有の粘液が残り光って見えるためナメクジの被害だと確認できます。この粘液は水がかかると溶けて無くなります。
《防除方法》
湿気の溜まるような物などを畑の近くになるべく置かないようにしてナメクジの住まいを作らないようにします。
昼間は鉢底やブロックの下などに隠れていますのでそれらを見つけ、また、卵塊があれば取り除きます。
ビールはナメクジをよく誘引しますが、殺虫効果はないので中にナメクジ退治の薬剤を混ぜておくと効果的です。
ナメクジに効果のある薬剤
ナメクジに効果のある薬剤を紹介します。
薬害の恐れがありますから、それぞれの作物に適応している薬剤を選ぶことが大事です。
自分の栽培している作物に多く適応している薬剤を選ぶのがコツです
①ナメナイト
植物の新芽・花・葉などを夜間に食害するナメクジ・カタツムリ類を誘い出し、食べさせて退治する誘引殺虫剤です。
特殊製法で造粒した粒は水に濡れても崩れにくく、雨の多い時期にも効果的です。
夕方ばらまけば一晩で効果が現れ、花壇、プランター、鉢植えの草花、キャベツやレタスなどの野菜をナメクジ・カタツムリ類の被害から守ります。
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まとめ
植物は一度根を生やしてしまったら、そこから移動することはできません。
その場の環境に合わせて生きていかなければならないのです。
ですから、いろんな外的攻撃に打ち勝つ免疫力を長い進化の中で確立してきました。
要するに、植物はもともと持っている免疫力で病害虫に負けないようになっています。
昨今の異常気象による病虫害や生理障害は自然現象なので、なかなか避けにくいことですが、肥料のやりすぎによる軟弱栽培が原因の病虫害や、風通しの良い栽培環境づくりなどは、自らの栽培技術向上で克服することができます。
毎日作物をよく観察し適切な栽培をして、病害虫に負けない元気で美味しい野菜づくりに努めましょう。
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参考文献
いつも参考にしている家庭菜園の教科書です。
よかったら読んでみてください。
▷▷やさい畑 2018年 10月号
▷▷野菜だより 2018年 11月号
▷▷現代農業 2018年 11月号
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Last Modified : 2019-11-27