投稿:2018-11-10
| 更新:2020-01-19
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2018年秋から2019春までのスナップエンドウの栽培記録です。
呼び名はスナップエンドウでもスナックエンドウでもどちらも正解です。
低温にあたることで花芽の分化が進むことから、秋まき春採り栽培が一般的ですが、株が大きくなると耐寒性が失われてきますので早まきを避けます。
ポリポットで育苗し、露地に定植、収穫する流れとなります。
スナップエンドウ栽培の参考になれば幸いです。

《発芽適温》 15~20℃ 約5日で発芽
《生育適温》 12~18℃
《育苗期間》 本葉3~4枚まで 栽培日数約30日で定植
《収穫時期》 越冬して春、サヤがふっくらと丸みを帯びてきたころ、サヤが緑色のうちに収穫
《タネの寿命》 タネには寿命があります。こちらで確認できます。
種まきは4つの条件を揃えれば芽が出る!🔗発芽を成功させる方法とコツ

スナップエンドウの発芽適温(地温)は20℃前後となっています。ここ静岡では11月中に種まき適期となります。
草丈15㎝程度が寒さに強いといわれていて、早くまき過ぎても草丈が伸びすぎて寒さで株を弱らせてしまいますし、遅すぎると発芽適温を下回ってしまい発芽さえ危ぶまれます。この辺りは経験と気候の予測がカギとなります。
10.5㎝ポリポットにあらかじめ湿らせておいた種まき専用用土を入れます。

1ポットに3か所2㎝ほどの穴を開けタネを入れます。
ここでタネにかかるように噴霧器で潅水しておきます。

土をかぶせ土とタネが密着するように上から押さえます。
スナップエンドウのタネは大きいので、根が出た勢いでタネごと地表に出ないようにある程度しっかり押さえます。
最後に土全体にたっぷりと水をあげて種まき終了です。
芽が出るまでは、地温がなるべく20℃になる場所で管理し、乾燥に注意します。
順調にいけば4~5日で発芽します。
噴霧器の水には、信頼度抜群の『メネデール』を混ぜています。
▷▷活力剤 メネデール 100mlを見てみる


予定より2日ほど遅れてやっと発芽しました。
屋外でも室内においても地温15℃を上回らないのでストーブの前で加温。なんとか1つ2つ芽が出てきました。
昨年のタネが残っていたので使いましたが、寿命が来ているのではないかと、やっぱり発芽するまでは不安です。
期限内のタネを使うのが気持ち的にも楽で良いのかも。
さてさて全ポット発芽がそろいますか…ゆっくり見守ります。


結局、11月10日種まきの分は5つしか発芽せず、20日に追加でタネを購入し種まきしました。
都合12株ほど発芽したことになり予定数に達しました。
エンドウの種は2~3年の寿命です。保存状態が良くなければ前年購入のタネでも発芽率が悪くなることがこれでわかりました。
▷▷種の保存方法についてはこちらが参考になります。
🔗翌シーズンも芽が出る出る!残ったタネの劣化を防ぐ保存方法


だいぶ大きくなってきました。が新しく購入したタネの方が茎も太く元気が良いようです。
このまま全部の株が冬を乗り越えられれば良いのですが…
本葉が3~4枚になったら定植します。
今年は暖冬のようで、なかなか寒くなりませんが植物にどのような影響があるでしょうか。
見守っていきたいと思います。ちなみに現在野菜の高騰はありません。


本葉4~5枚、草丈10㎝程になりましたので定植します。
株間25㎝で2株ずつ植えます。11株ありますので2株×5か所、1株×1か所にします。
生育の良くないものはポット育苗のまま様子を見ることにして、何かトラブルがあった場合に使用します。


きれいに植え付けることができました。最後にたっぷりと水をあげておきます。
もう2.3㎝伸びると風で倒れてしまうようになりますから、次回は仮支柱を立てて誘引します。
併せて風対策としてトンネルをしようと思っています。


夜間に寒い北風が吹きつけ、横たわってしまっています。草丈がもう少し伸びてからにしようと思っていましたが、仮の支柱を立てて倒伏を防ぎます。

畝の両端に太めの支柱を入れます。
誘引ができる高さにイボ付き支柱を1本地面と平行に設置して、ビニールひもで誘引します。
草丈がまだ短く茎も細いので紐を縛るのに苦労しました。



10株なんとか誘引できました。これで風が吹いても大丈夫!
ただ1株が強風の影響か根元から折れてしまっていましたので、修復できるか挑戦しようと思います。

トンネル支柱でトンネルを作り不織布を被覆します。


北風が強く吹いた影響でしょうか、根元から折れてしまっている株が1つありました。
スナップエンドウの茎は繊維質で細いわりには意外と丈夫で、真っ二つに折れてしまっているわけではなく、首一枚で繋がっているということがよくあります。
今回もそのパターンなので、修復してくっつき、さらに元通りに成長できるのか挑戦してみます。

今回はまだ茎が太くないのでストローを使ってみます。
折れた箇所は地際なので少し掘り起こしておきます。
メネデールを患部に塗って活着を促します。


2㎝くらいにカットしたストローにハサミを入れて、茎をストローの中に入れてしまいます。
土を埋め戻し、ストローを安定させます。


風でぐらつくとなかなかつかないので、ペットボトルを使って風よけにします。
無事にくっついて収穫までたどり着けたら嬉しいな…
ゆっくり見守っていきます。


年末、天気も良いし家の大掃除で一日いるので、全ての畑のトンネルを外し思い切り日光を浴びてもらいました。
不織布の遮光率は10%もないですが、それでも遮っていることには変わりはないので、全解放です。
草丈は15㎝程になりました。これぐらいが越冬には一番良いサイズといわれています。
タマネギの苗を混植してみましたがどう影響するのかしないのか観察していきます。
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茎の修復をした株ですが、16日経過しましたが枯れることなく少し大きくなっています。
無事に修復されたと思われますが、もうしばらく様子見です。


草丈が20~30㎝になってきたので2本目の横支柱を備え付けて誘引しました。
南側に植えてある方が成長が良く、北側に行くほど思わしくありません。どういう理由かはわかりません。
土表面が硬くなっているのでミニ熊手でかいてほぐしておきます。
こうすることで空気が土中に通いやすくなり、根や微生物の呼吸を助けます。
混植したタマネギも順調に育っているようです。
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折れた茎の修復をした株もしっかり成長しています。
完全に完治しているものと見て良いと思います。
ストローには縦に切れ目が入っているので、茎が太くなったら勝手に外れるのでそのままにしておきます。


しばらく放っておいたら、ずいぶん伸びていました。
横支柱を2本追加して誘引しておきます。成長の良い株と悪い株の差が大きいのが気がかりです。
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一番元気よく伸びている南側の株は草丈60㎝まで大きくなっています。
ツルも伸びて絡まっていますので、週末は本格的な支柱とネットを仕立てなければなりませんね。


スナップエンドウは210㎝のイボ付き支柱にネットを張り、ツルを這わせていくのですが、草丈のまだ低いうちは1株ずつ支柱を立てて誘引しておくと、強風で折れたりすることなく、株間も保ったまま生育してくれます。
全部で11株ありますから11本の縦の支柱を立てて誘引しました。120㎝のイボ付き支柱ですから1mの草丈になるまで誘引できます。
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花芽ができてもうそろそろ開花です。
昨シーズンの開花は3月16日、栽培日数132日でしたので、ずいぶん早い開花となりそうです。
品種が違うので何とも言えませんが…


ツルありスナップエンドウは人の背丈以上に成長しますから、210㎝の支柱を使ってネットを張り巡らします。
今年は新兵器を導入しました。
アーチ型の支柱を2本用意して畑の両端に建てます。
▷▷アーチ支柱を見てみる

これまた新兵器の止め金具を使って横に支柱を組みます。
ガッチリと固定されます。
この支柱にネットを取り付けて、ぐるっと一周ネットが張れます。
▷▷園芸用クロスバンドはこちらから
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背が高い支柱なので筋交いをして風に負けないように仕上げます。
最盛期には茎葉が密集し、ヨットの帆のように風をまともに受けるようになります。
毎年強風後には支柱の補修をしなければなりませんでした。今回は東西南北全方向に筋交いをしました。これでどこから風を受けてもビクともしないはずです。

完成しました。
花も順調に咲いていますから4月には収穫ラッシュになりそうです。
楽しい楽しみ。


2.3日前に爆弾低気圧が通過し、強風が吹き荒れましたが、支柱はビクともしませんでした。
今年の支柱はいいぞ!失敗を繰り返して、試行錯誤することが大事なんですね。
さて、草丈80㎝辺りから花芽ができて次から次へと花が咲いています。
スナップエンドウはイチゴのように受粉に気を付かわなくても大丈夫です。
1つ実がなり始めていました。
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開花から約1か月が経ちました。
見事な実がなっています。収穫も間近です。


初収穫をむかえました。栽培日数143日です。
写真のように、エダマメよりもう少しマメがまん丸になるのを待って収穫すると良いと思います。
初収穫は7本、これからしばらくスナップエンドウをつまみにビールをいただけそうです。
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収穫がピークです。一日おきくらいで10本以上収穫できます。
コストパフォーマンスの高い野菜の一つといえると思います。
イチゴもたくさん採れて、我が菜園の春満喫です!

うどんこ病が発生していたので殺菌しておきました。2種類ともオーガニック対応ですから安心です。
株間を狭くしてしまったので、風が留まるんですね、反省です。
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下葉の方から黄色くなってきました。うどんこ病がひどくなっているのか、はたまた生理障害か…
風の抜けが悪いことに加え、急に寒かったり、暑かったりと安定しない気候のせいで株が弱っているように見えます。
一つの株の実には、小さな黒っぽい斑点が見られるようになっているので、惜しいですが株ごと処分しました。
ゴマ症(うどんこ病と関連しているようです)というようですが、一度株が弱ると畳みかけるように何かが生じます。
支柱の上の方まで実がついており、収穫も終盤ですからこれ以上の対策は取らないつもりですが、あと少し頑張ってほしいです。
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最後の莢をとり終えました。初収穫から43日間収穫することができました。
昨年までは目立った病害もなく元気に育ったのですが、今年は『うどんこ病』に悩まされました。
特に新しく購入した品種がひどくなり、品種や種苗会社によっても優劣があるのかなと感じました。
これで撤収とします。


スナップエンドウ栽培は今回で3シーズン目となりました。真冬をまたいで栽培するので長期間であるし、一見栽培が難しそうに思えますが、病害虫の心配も少なく、支柱設備さえ整えられれば、あまり手のかかることはありません。
それよりカゴいっぱいになる収穫量の多さに驚きますよ。
微生物の多く住む土であれば、根への栄養供給がスムーズに進み、甘くて味の濃い、柔らかなスナップエンドウが収穫できるようになります。

野菜は、日光が大好きです。特に夏野菜は日光と温度を要求しますが、昨今の猛暑、酷暑の中では気温の上がり過ぎにより、元気がなくなり成長が弱まったり、病害虫が多発したりします。日光は好きでも異常な暑さは好きではないようです。
地球温暖化が原因とされるこの暑さですが、下記写真資料にある通り1960年代から暑さが顕著になりはじめています。植物の進化はもっともっと長いスパンですから、温暖化のスピードに植物の進化が追い付いていないというのが現状のようです。
将来、人間にとっても植物にとっても過ごしやすい夏に戻ってくれるのが一番良いのですけど、どうなることやら。現状ではこの暑さにも負けない品種の改良を待つしかないのでしょう。
日本の夏は徐々に暑く、長くなっている (東洋経済ONLINEより)


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野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。
注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。
有機物が投入されると活発になる微生物
微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します。
このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。
化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。
分解しやすい物質と分解しにくい物質
有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます。
有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。
さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。
分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。
どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)
有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。
水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。
腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。
腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。
ボカシのすすめ
発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。
数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。
ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。
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Last Modified : 2020-01-19