投稿:2018-11-24
| 更新:2021-01-23
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買った野菜のタネ、使いきれずに余っちゃいませんか…?
プランター栽培や小さな家庭菜園で野菜をつくる場合、いちばん少量のタネ袋を購入しても多過ぎて余らせてしまいます。
もったいないからと、翌シーズンに余ったタネをまいてはみたものの、待てど暮らせど芽は出てこない!適期が終わってしまう!と慌てて新しいタネを購入してまき直し…なんて経験をしたこともあるかもしれません。
これはもしかするとタネの保存状態が良くなかったのかもしれないです。袋裏にある有効期限〇月は発芽率の保証期限であって、1年後でも2年後でも、適切な方法でタネを保存できていれば発芽する可能性はあるのです。
今回は、タネの性質を理解しながら劣化を防ぐ種の保存方法を紹介したいと思います。
タネには寿命がある
タネは水分を与えられるなど発芽環境が整うまでは、最小限の呼吸で生き、待機を続けます。しかしやがて持っているエネルギーをすべて使ってしまうと発芽することができなくなってしまいます。
このようにタネには寿命があるのですが、作物によって長寿命のタネもあれば、短命なタネもあります。そして保存状態が悪い(高温多湿)場合は寿命がさらに短くなります。
また、その年のタネのでき方、購入前の保存管理状態によっても寿命の長短ができます。
《タネの寿命 例》
1~2年 ねぎ、たまねぎ、にんじん、みつば、落花生
2~3年 キャベツ、レタス、とうがらし、えんどう、いんげん、そらめま、えだまめ、ごぼう、ほうれんそう
3~4年 だいこん、かぶ、はくさい、つけな類、きゅうり、かぼちゃ
4~6年 なす、トマト、すいか
※ネギやニンジンは寿命が短いため基本的に保存が効かないと思った方が良いでしょう。
タネを劣化させる4要素 高温 水 酸素 光
まず、タネが発芽する条件とは…温度、水分、酸素がそろった時です。(好光性種子はこれに光が加わります)
タネがこの条件下になった時に持っているエネルギーを発揮して根を出し、そして芽を出します。言い換えれば、発芽条件がそろえばそろうほどエネルギーを使い、タネの劣化が進むということになります。
仮にこの条件が全て整わなければ、タネはエネルギー消費を生命維持のための呼吸のみにすることができ、劣化が進みにくいということになります。
《温度》
野菜のタネには発芽適温があり、作物によって違いがありますが、15~25℃あたりが発芽適温になります。これより低い温度であれば、発芽のためのエネルギーを使わずに済みます。もちろん高温下ではタネの劣化は激しく進むでしょう。
《水分》
タネの発芽のきっかけは何といっても水分です。水分を与えられることで外側の硬い殻がふやけ、根や芽が出てくるようになります。
水分がゼロならタネは微動だにしません。
《酸素》
タネは呼吸をして命をつなぎ、発芽するその日をひたすら待っています。
温度が高ければ呼吸数は増えるし、低ければ減ります。呼吸でエネルギーを使い果たせば寿命になります。
また、人間と同じで酸化作用により体の劣化が進みます。
呼吸を少なくすることで劣化の進行を防ぎます。
《光》
好光性種子は光を感じることで発芽します。光をさえぎることでタネのエネルギー消費を防ぎます。
このような種の発芽にとって不都合な条件…温度が低く、湿気の少ない、酸素も光も通さない保存方法とは?
冷蔵庫内にジップロックや缶、ビンなどに詰め保存する
発芽のためのエネルギーが長期間維持できる保存方法は…しっかり乾燥させたタネをジップロックや缶、ビンなどの密封容器に入れ、冷蔵庫内で保存するのがおすすめの方法です。
①
来シーズンに使用したい分のタネを紙の上に広げて、1~2時間日に当てて十分乾燥させます。

②
タネ袋にタネと乾燥剤(100均で購入)を入れてテープで密封します。しっかり空気を抜くようにします。


③
さらにジップロックなどの密封性の高い容器の中に乾燥剤を一緒に入れて密封し、冷蔵庫で保管します。
今回はジップロックに入れて、ストローで空気をなるべく抜いて密封しました。
ジップロックだと、かさばらないので庫内のスペースの邪魔をしません。

※冷蔵と冷凍がありますが、凍らせてしまった場合、タネの細胞が壊れますのでおすすめしません。冷蔵庫内の温度、湿度変化の少ない場所で保存しましょう。
作付け前に発芽テスト
保存しておいたタネを翌シーズンに使用する場合は、作付け前に発芽テストを行うことをおすすめします。
万一、発芽しない場合、何日も発芽の有無を待ち続けて結局新しいタネをまき直すことになり、栽培適期を外してしまうおそれがあるからです。
テストは早めに行い、発芽状況が悪い場合は、新しいタネを購入し栽培適期を外さないように心がけましょう。
《発芽テスト》
正式な発芽テスト方法は作物ごとにありますが、ここでは簡単に発芽状況を確認できる方法を紹介します。
・皿にティッシュペーパーを敷き、水をひたひたになるくらいまで加えます。
・タネを10~15粒ほどティッシュペーパーの上に置きラップをかぶせ、室内で発芽状況を観察します。
・発芽の早いものなら3日で発芽の有無が確認できます。
・半分以上芽が出ないようであれば劣化が進んでいると判断し、新しいタネを購入する方が良いでしょう。
※作物の発芽日数についてはこちらを参考にしてください。
🔗種まきは4つの条件を揃えれば芽が出る!発芽を成功させる方法とコツ
まとめ
種苗メーカーや小売店の管理がずさんな場合は、購入以前から劣化が進んでいる可能性もあります。
ゆえに、信用のおけるメーカーやお店でタネを購入することも大切です。
タネだって大切な命!何かしらの工夫をして1粒残らず有効的に使い切ってあげたいものです。
例えば、ダイコンや葉もの野菜などは、間引き菜でおいしく食べることができますから、多くまいて多く間引き菜にする方法が考えられます。
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参考文献
いつも参考にしている家庭菜園の教科書です。
よかったら読んでみてください。
やさい畑 2018年 12月号
野菜だより 2019年 01月号
現代農業 2019年 01月号
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Last Modified : 2021-01-23