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べと病対策 家庭菜園やプランター菜園で使用できる農薬



2018/8/15/4




野菜の栽培にはつきものの病害虫。栽培環境や土の状態が良い中で元気に育つ野菜であれば、植物がもともと持っている免疫力で病害虫を寄せつけませんし、大きな被害に合うことはありません。
ですから、薬剤に頼る前にまずは元気な植物を育てることが最も大切です。

しかし、気候変化や周囲の環境変化など、ちょっとしたことで栽培環境が変わり、病害虫の大発生に見舞われてしまうことがあります。

特に昨今の異常気象は、あっという間に栽培環境を大きく変えてしまうことで、植物に大きなストレスを与え、植物を弱らせ、病害虫被害が多発してしまう傾向にあります。

今回は、困った病気ベスト5に入る『べと病』について調べてみました。





植物と微生物の関係


いったん植物が土中に根を伸ばし、地表に茎葉を出し始めると、微生物はその周りに集まってきて植物の成長を助けたり、病害虫から植物を守ってくれます
反対に、植物は微生物の成長に必要な養分を提供し共存関係が成立しています。

また、土中の有機物は微生物によって分解されてはじめて養分として植物が吸収できます
微生物の死骸も分解されて、養分として植物に吸収されています。

このように微生物は、植物が生きるために大きな役割をはたしているのですが、さまざまな病気もまた微生物が引き起こすものです。

農薬は、病原菌だけを殺すことができれば万能薬ですが、植物に有用な微生物までも殺してしまう恐れが大きく、また、土中の微生物バランスを崩す可能性があるため、残留農薬の問題、環境への問題も含め、なるべくなら化学農薬の使用は避けたいところです。


病原菌の種類と発生場所


植物の病気の原因となる微生物は糸状菌(カビ)によるものがほとんどです。
その他、細菌(バクテリア)によるもの、ウイルスが原因の病気があります。

また発生場所として、茎・葉・花など地上部の植物体の表面で菌が繁殖して生育を悪くするもの、植物体内で繁殖して病斑が現れるものがあります。
その他、土壌中で繁殖して根に被害を与える病気などがあります。


べと病について


《被害症状》

葉に黄淡色の斑点ができます。

雨などによる土の跳ね返りで感染することが多く、下葉から症状が現れ上部に広がっていきます。

初期には点在していた病斑が、しだいにくっついて拡大し、葉の裏にすす状のカビが生えてきます。

最終的には株全体に広がり枯死してしまいます。



《生態》

発生時期は4月~9月頃。気温が20℃前後で多湿の状態になる梅雨時期と秋雨時期に最も多く発生します。

べと病は『カビ』が原因の病気ですが、野菜の種類によって症状は様々で病原菌も異なっています。

水はけの悪い土が発生の原因になります。べと病にかかった葉などを処分せずに畑に放置しておくと、そこでカビの胞子が繁殖し、風で運ばれ、次から次へと感染していきます。



《防除方法》

水の跳ね返りで感染しますから、水たまりのできない排水の良い土壌にします。

敷きわらやビニールマルチをして、土からの感染を減らします

株元の風通しが良くなるように、株間を開けたり、古葉は摘葉をするなどして、空気の淀みをなくし、日光が株元まで届くようにします

感染した株や葉は、早めに摘み取り、畑外で処分し他への感染を防ぎます

梅雨や、秋雨の時期に、予防的に薬剤散布をして大発生を抑えます。この時、葉の表裏にまんべんなく薬剤がかかるように注意します。


べと病に効果のある薬剤


べと病に効果のある薬剤を紹介します。
薬害の恐れがありますから、それぞれの作物に適応している薬剤を選ぶことが大切です。
自分の栽培している作物に多く適応している薬剤を選ぶのがコツです。



① サンボルドー

天然成分の塩基性塩化銅を主成分とし、各種病原菌に対して予防効果を発揮する代表的な保護殺菌剤です。
斑点細菌病など細菌によって起こる病気はもちろんのこと、かび(糸状菌)によって起こるべと病、もち病などの病気に予防効果を発揮します。
効果の持続期間が長く、粒子も非常に細かく噴霧器等の詰まりが少ないです。
有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能です。

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② STダコニール1000

草花、野菜、果樹など様々な植物で、かび類(糸状菌)によって起こり、特にもち病や炭そ病、斑点病など葉が変色するタイプの広範囲の病気に効果がある優れた園芸用の総合殺菌剤です。
耐光性、耐雨性に優れ、病気から植物を守る残効性があります。また各種病原菌に対しても抵抗性がつきにくい、優れた効果の保護殺菌剤です。
計量が手軽に行えるフロアブルタイプで、散布後の葉の汚れも少ないです。

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③ GFワイドヒッター顆粒水和剤

べと病や疫病に対して優れた予防・治療効果があるベンチアバリカルブイソプロピルと、幅広い病気に予防効果があるTPNを配合した殺菌剤です。
作用性の異なる2種類の殺菌成分で、効果的に病気を防除します。
植物体に成分が染み込む「浸達性」があるので、降雨などで有効成分が流されにくく、効果が持続します(トマトの疫病には散布21日後でも効果が持続していることを確認しています)。
顆粒タイプなので希釈の際に粉立ちが少なく扱いやすいです。

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まとめ


植物は一度根を生やしてしまったら、そこから移動することはできません。
その場の環境に合わせて生きていかなければならないのです。
ですから、いろんな外的攻撃に打ち勝つ免疫力を長い進化の中で確立してきました。

要するに、植物はもともと持っている免疫力で病害虫に負けないようになっています。

昨今の異常気象による病虫害や生理障害は自然現象なので、なかなか避けにくいことですが、肥料のやりすぎによる軟弱栽培が原因の病虫害や、風通しの良い栽培環境づくりなどは、自らの栽培技術向上で克服することができます

毎日作物をよく観察し適切な栽培をして、病害虫に負けない元気で美味しい野菜づくりに努めましょう。


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参考文献


いつも参考にしている家庭菜園の教科書です。
よかったら読んでみてください。

やさい畑 2019年 02月号

野菜だより 2019年 01月号

現代農業 2019年 01月号



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Last Modified : 2019-11-27

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