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有機肥料として利用する『骨粉』の肥料成分と上手な使い方



骨粉表紙





オーガニック・有機栽培で利用される有機肥料(有機質肥料)。
有機質肥料とは、生物由来の資源を原料に作られた肥料のことを指します。

工業的に合成された無機質肥料とは違って、化学的ではなく、それによって栽培された野菜は体に良いイメージを持ちますが、さて有機質肥料はどのように使えばよいのでしょうか。

今回は、『骨粉』の肥料成分と、有機肥料の上手な使い方について調べてみました。




骨粉とは?


広く流通しているのは、ブタやニワトリなどの骨から、高温の蒸気圧で脂肪とゼラチンを除き、乾燥・粉砕した『蒸製骨粉』です。

魚の鱗(うろこ)を高温の蒸気で蒸してから、乾燥、粉砕した 『蒸製魚鱗』もあります。

リン酸が主体で少量の窒素を含みます



骨粉の肥料成分


骨粉に含まれる肥料成分は、ほとんどがリン酸で少量の窒素を含みます
リン酸は花や実を育てる肥料成分といわれています。

含まれるリン酸の多くが、植物の根や微生物が分泌する有機酸に少しずつ溶ける『く溶性』です。
『水溶性リン酸』は、すぐに水に溶けますが、土の中のアルミニウムや鉄と結びつきやすく、野菜が利用しにくくなりがちです。
その点、『く溶性』なら野菜が効率よくリン酸を利用できます。



骨粉利用のおすすめポイント


リン酸肥料なので、元肥に使用します。
ゆっくり溶け出し、効果が出るまでに時間がかかるため、作付けの1か月前には施します

微生物によって分解されるのに時間がかかるため、細かく砕いてあるものが利用しやすいです。

堆肥と混ぜるとリン酸が早く溶け出すようになるので、早く効果を出したい場合は堆肥と混ぜて使います。

効果が長続きするので、タマネギや長ネギ、アスパラガスなど栽培期間の長い作物に向いています。

効果が長続きする骨粉と、即効性のリン酸を組み合わせて使うと良いです。



そもそも有機質肥料を入れるわけ


野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
そもそも有機質肥料を土中に入れる理由は、足りなくなった栄養分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物(骨粉)を投入するのです。

注意しなければならないことは、栽培期間中足りなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な施肥は、残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように施すことが大切です。


有機物(骨粉)が投入されると活発になる微生物


微生物にとって有機物(骨粉)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物(骨粉)が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します
この活発な状態の時に、熱やガスが発生するのです。肥料焼けの原因です。有機物の投入は作付けの2〜3週間前にする理由はここにあります。骨粉は分解しにくいので1か月前に土中に投入します。

さて、このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。

化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。

▷▷有機質肥料を見てみる

どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)


有機物(骨粉)が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。

水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。

腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。

腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料(骨粉)ですから腐らせないようにしたいものです。


ボカシのすすめ


発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。

これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。

▷▷ボカシ肥料を見てみる

🔗好気性発酵 7日で完成 米ぬか・もみ殻 ボカシ・堆肥づくり


まとめ


『骨粉』の肥料成分と、有機肥料の上手な使い方について見てきました。

栽培上手な人は、やみくもに有機物を投入するのではなく、長い年月をかけて土の中の有用微生物が住みよい環境になるように、土と対話しながら地道に努力を続けている人が多いです。

人間の生活リズムと、野菜や土、微生物の成長リズムは、全く違う時間軸で動いていることを念頭に、あわてず、ゆっくりと家庭菜園に取り組んでいきましょう。


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よかったら読んでみてください。









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コラム 有機質肥料・完熟堆肥・ボカシ肥料のこと



野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。

注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。



有機物が投入されると活発になる微生物

微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します

このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。

化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。



分解しやすい物質と分解しにくい物質

有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます

有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。

さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。

分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。



どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)

有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。

水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。

腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。

腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。



ボカシのすすめ

発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。

🔗7日で完成 米ぬか・もみ殻 ボカシ・堆肥づくり/好気性発酵 はこちらから



数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。

ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。



 





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Last Modified : 2019-06-21

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