投稿:2019-02-25
| 更新:2019-11-26
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野菜の栽培にはつきものの病害虫。栽培環境や土の状態が良い中で元気に育つ野菜であれば、植物がもともと持っている免疫力で病害虫を寄せつけませんし、大きな被害に合うことはありません。ですから、薬剤に頼る前にまずは元気な植物を育てることが最も大切です。
しかし、気候変化や周囲の環境変化など、ちょっとしたことで栽培環境が変わり、病害虫の大発生に見舞われてしまうことがあります。
特に昨今の異常気象は、あっという間に栽培環境を大きく変えてしまうことで、植物に大きなストレスを与え、植物を弱らせ、病害虫被害が多発してしまう傾向にあります。
今回は、大きくなってきた果実に黒い穴!ショックビック!!
美味しい果実を食べてしまうタバコガについて調べてみました。
害虫と益虫
大事に育てている作物の花や葉、茎、根を食べたり、養分を吸汁して害を及ぼす虫を、その作物にとっての『害虫』といいます。
一方、カマキリ、クモ、テントウムシなどはそれらの害虫を捕食し、ミツバチやチョウは受粉の手助けをしてくれます。このようなその作物に有益な虫を『益虫』といいます。
農薬は、その作物に対する『害虫』だけを殺すことが出来れば万能薬ですが、残念ながら『益虫』までも殺してしまう可能性が多くあります。
また、農薬を使うことで、畑の生態バランスを崩す可能性があり、余計な病害虫を増やすことになりかねません。乱用することで虫に耐性ができ、薬が効かなくなることだってあります。
ですから薬剤の使用は、残留農薬の問題、環境への問題も含め、最小限にとどめたいものです。
病害虫にやられるきっかけ
植物の葉や根の周囲では、数億いる微生物の中でも乳酸菌などの有用微生物(善玉菌)が数的優位な状態でバランスを保っています。
この状態であれば、土中環境が健全であるので、植物の根は活発に栄養分を吸収でき、植物全体が元気になり、植物のもともと持っている抵抗力や自然免疫力が発揮され、病害虫にやられることなく植物は元気に育ちます。
ところが、気候変化(異常気象)、肥料過多、肥料不足、ストレス、老化などで抵抗力が弱くなると微生物バランスが崩れ、悪玉菌が数的優位になることで病害虫の攻撃にやられるようになってしまいます。
ゆえに
病害虫にやられない = 植物を元気に育てる = 有用微生物の多様性を保つ
といえそうです。
タバコガ
↓虫を判別するにはこちらが参考になります
🔗昆虫エクスプローラ
🔗病害虫・雑草の情報基地
《被害症状》
蕾や果実の中を食害するので、花が咲かなかったり、食用にならないなどの被害を受けます。
被害穴の大きさは5〜10ミリです。
若齢幼虫は新芽や蕾、花、幼果を集団で食害します。
果実の中に入り込んだ幼虫は、薬剤が届かず効きにくくなります。
タバコガは、ナス科の野菜に発生しやすいです。
オオタバコガが発生しやすいのは、カリフラワー、ゴーヤ、ジャガイモ、スイカ、トウモロコシ、トマト、ミニトマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、ラッカセイ、レタス、などです。
《生態》
発生時期は6~10月頃です。
8~10月頃が発生のピークになります。
蛹の状態で越冬し、春に成虫になり、夜間に飛来して薄黄色の卵を新芽に1粒ずつ産み付けます。
1年に4~5回ほどこのサイクルを繰り返しますので秋口になると数が一番多くなります。
成虫の体長は10~12ミリです。卵から成虫になるまで約30日かかります。
高温・乾燥の年に大発生する危険があります。
《防除方法》
新芽や新葉の中心に卵を産みますから、よく観察して発見次第処分します。
クモやゴミムシ等の益虫がいれば捕食されますから、益虫が生息する環境を作ることが大切です。
益虫までも殺してしまうような殺虫剤を乱用すると、タバコガが大発生してしまいます。
物理的に成虫の飛来を防ぐように防虫ネットなどをトンネルしておくと安心です。
実を食害されてしまった場合は実ごと処分します。そのままにしておくと病原菌が侵入して株が病気になる危険があります。
大規模な畑では、防蛾灯(黄色蛍光灯)の夜間点灯なども有効です。
タバコガに効果のある薬剤
タバコガに効果のある薬剤を紹介します。
薬害の恐れがありますから、それぞれの作物に適応している薬剤を選ぶことが大事です。
自分の栽培している作物に多く適応している薬剤を選ぶのがコツです
①STゼンターリ顆粒水和剤
野菜類・果樹類・いも類・豆類に収穫前日まで使用できます。
天然成分を使用し、環境への影響も少なく、有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能です。
自然界にいる天然微生物(B.t.菌)が作る有効成分が、アオムシ、ヨトウムシ、ハマキムシなどチョウ目害虫に効果をあらわします。
特に従来のBT剤で効果が低かったヨトウムシや、他の殺虫剤に抵抗性のついたコナガに高い効果を発揮します。
顆粒水和剤のため、粉立ちがなく水に溶けやすく扱いやすいです。
散布後、害虫が退治されるまでは時間を要しますが、食害は直ちに止まるため被害防止に役立ちます。効果はハスモンヨトウ(無降雨条件)で約1~2週間持続します。
▷▷STゼンターリ顆粒水和剤を見てみる

② ベニカXネクストスプレー
花、庭木、野菜(トマト・きゅうり・なす・キャベツ・レタス・リーフレタス・メロン)など幅広い植物に使える、化学防除成分と物理防除成分を組み合わせた殺虫殺菌スプレーです。
害虫に素早く、長く(アブラムシ1ヵ月)効き、退治の難しいチョウ目老齢幼虫(ハスモンヨトウ、オオタバコガ)、薬剤抵抗性害虫(アブラムシ、ハダニ)にも効き、病気の予防・治療に効果的です。
新提案!手が疲れにくいトリガーで散布作業の負担を軽減!
世界初!5種類の成分で植物の病害虫をしっかり防除!
還元澱粉糖化物…薬剤抵抗性の発達したアブラムシ、ハダニにも効く!
クロチアニジン…雨に強い浸透移行性 殺虫効果が持続!
ペルメトリン…ノックダウン効果 害虫をすばやく退治!
ピリダリル…ハスモンヨトウなどの大型幼虫に効く!
マンデストロビン…雨に強い浸透移行性 病気の予防・治療!
▷▷ベニカXネクストスプレーを見てみる

③ ベニカベジフル乳剤
野菜、果樹、草花、庭木などの害虫を退治します。
速効性と持続性(ヨトウムシ・若令幼虫で1~2週間、散布葉)があります。
▷▷ベニカベジフル乳剤を見てみる

まとめ
植物は一度根を生やしてしまったら、そこから移動することはできません。
その場の環境に合わせて生きていかなければならないのです。
ですから、いろんな外的攻撃に打ち勝つ免疫力を長い進化の中で確立してきました。
要するに、植物はもともと持っている免疫力で病害虫に負けないようになっています。
昨今の異常気象による病虫害や生理障害は自然現象なので、なかなか避けにくいことですが、肥料のやりすぎによる軟弱栽培が原因の病虫害や、風通しの良い栽培環境づくりなどは、自らの栽培技術向上で克服することができます。
毎日作物をよく観察し適切な栽培をして、病害虫に負けない元気で美味しい野菜づくりに努めましょう。
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Last Modified : 2019-11-26