FC2ブログ

ゆっくり家庭菜園

TOP >  野菜栽培のきほん >  虫の害 >  ハモグリバエ(エカキムシ)の駆除対策 家庭菜園やプランター菜園で使用できる農薬

スポンサーリンク

ハモグリバエ(エカキムシ)の駆除対策 家庭菜園やプランター菜園で使用できる農薬



2019-3-29-4 ハモグリバエ




野菜の栽培にはつきものの病害虫。栽培環境や土の状態が良い中で元気に育つ野菜であれば、植物がもともと持っている免疫力で病害虫を寄せつけませんし、大きな被害に合うことはありません。ですから、薬剤に頼る前にまずは元気な植物を育てることが最も大切です。
しかし、気候変化や周囲の環境変化など、ちょっとしたことで栽培環境が変わり、病害虫の大発生に見舞われてしまうことがあります。
特に昨今の異常気象は、あっという間に栽培環境を大きく変えてしまうことで、植物に大きなストレスを与え、植物を弱らせ、病害虫被害が多発してしまう傾向にあります。

今回は、ハモグリバエ、別名エカキムシについて調べてみました。





害虫と益虫



大事に育てている作物の花や葉、茎、根を食べたり、養分を吸汁して害を及ぼす虫を、その作物にとっての害虫』といいます。
一方、カマキリ、クモ、テントウムシなどはそれらの害虫を捕食し、ミツバチやチョウは受粉の手助けをしてくれます。このようなその作物に有益な虫を『益虫』といいます。

農薬は、その作物に対する『害虫』だけを殺すことが出来れば万能薬ですが、残念ながら『益虫』までも殺してしまう可能性が多くあります。
また、農薬を使うことで、畑の生態バランスを崩す可能性があり、余計な病害虫を増やすことになりかねません。乱用することで虫に耐性ができ、薬が効かなくなることだってあります。
ですから薬剤の使用は、残留農薬の問題、環境への問題も含め、最小限にとどめたいものです。


病害虫にやられるきっかけ



植物の葉や根の周囲では、数億いる微生物の中でも乳酸菌などの有用微生物(善玉菌)が数的優位な状態でバランスを保っています。

この状態であれば、土中環境が健全であるので、植物の根は活発に栄養分を吸収でき、植物全体が元気になり、植物のもともと持っている抵抗力や自然免疫力が発揮され、病害虫にやられることなく植物は元気に育ちます。

ところが、気候変化(異常気象)、肥料過多、肥料不足、ストレス、老化などで抵抗力が弱くなると微生物バランスが崩れ、悪玉菌が数的優位になることで病害虫の攻撃にやられるようになってしまいます。

ゆえに
病害虫にやられない = 植物を元気に育てる = 有用微生物の多様性を保つ 
といえそうです。


ハモグリバエ


↓虫を判別するにはこちらが参考になります
🔗昆虫エクスプローラ
🔗病害虫・雑草の情報基地



《被害症状》

・ハエの仲間で、あらゆる野菜に発生する成虫の体長が約2ミリのハエ目の害虫です。

・成虫は産卵、吸汁のため産卵管を葉に刺し、小さな白い斑点を生じさせますが実害はありません。

幼虫は葉の中をトンネル状に食い進み、葉に白い筋模様をつくります。

幼虫が食い進んだ部分は絵を描いたように見えることから別名『エカキムシ』と呼ばれます。

・食害が進みは全体が被害を受けると葉の光合成ができなくなり、野菜は生育不良になります。葉数の少ない幼苗期は注意が必要です。


 


《生態》

発生時期は5月~10月頃です。

冬は卵で越冬し、春になって暖かくなると発生し始めて、晩秋になるまで何度も発生し続けます

・発生適温は20℃~30℃で卵から成虫になるまでの期間は25℃で約17日です。

薬剤の多用によって益虫が減った畑や、高温乾燥した夏場の畑ではハモグリバエが発生しやすくなります

・マメハモグリバエ、トマトハモグリバエ、アシグロハモグリバエなど、海外から来た種類は駆除剤への抵抗があるのでやっかいです。

・幼虫の体長は3ミリ程度の濃黄色ですが、葉肉内部に潜っているので外から見えません。

・ハモグリバエは多くの種類がいます。春はナモグリバエの発生が目立ちます。成虫は灰色で、幼虫は灰褐色、淡褐色の蛹になります。春以降は海外から侵入したマメハモグリバエ、トマトハモグリバエ、ナスハモグリバエなどが発生します。成虫は黒色で頭など一部が黄色です。幼虫は黄褐色です。





《防除方法》

・食害跡の先端に幼虫がいるので、その部分を押しつぶして退治します。

・天敵となるヒメコバチやコマユバチがいると発生を抑制することができます。

・他の畑などから飛来して産卵しますから、目の細かい防虫ネットをトンネルすることで物理的に侵入を防ぎます。

・ハモグリバエは黄色が好きなので、黄色粘着板などを吊り下げることで捕殺することができます。


ハモグリバエに効果のある薬剤


ハモグリバエに効果のある薬剤を紹介します。
薬害の恐れがありますから、それぞれの作物に適応している薬剤を選ぶことが大事です。
自分の栽培している作物に多く適応している薬剤を選ぶのがコツです



① ベストガード粒剤

・臭いが少なく使いやすい浸透移行性の殺虫剤です。

・効果が持続しますので発生期間の長いアブラムシ・コナジラミなどの防除にも適しています

・トマト・なす・きゅうりなどの野菜や、草花・観葉植物など幅広い植物に使用できます。

▷▷ベストガード粒剤を見てみる






② ベニカ水溶剤

・野菜・果樹・花など幅広い植物に使用できます。野菜のトマト、きゅうり、なすをはじめ、果樹では、うめ、かき、かんきつ、ブルーベリーまで幅広く使えます。

・有効成分が葉や茎から吸収されて植物体内にゆきわたり、殺虫効果が持続する(アブラムシで約1カ月)すぐれた浸透移行性殺虫剤です。また、有効成分は葉の表から裏に移行しますので葉裏に隠れている害虫など直接殺虫剤がかかりにくいところにいる害虫も効果的に退治します。

・植物の汁を吸う害虫(アブラムシ、コナジラミ、カイガラムシ、カメムシ等)はもとより、葉を食害する害虫(ケムシ等)や甲虫類(カミキリムシ、コガネムシ等)にも優れた防除効果を現します。

新しい作用性をもつ成分が、従来の薬剤に抵抗性を持った害虫にも高い効果を発揮します。

・顆粒水溶剤のため、粉立ちが少なく水に溶けやすく扱いやすいです。

▷▷ベニカ水溶剤を見てみる






③ 家庭園芸用マラソン乳剤

・植物への薬害が少なく、広範囲の害虫に効果を発揮する代表的な園芸用殺虫剤です。

▷▷マラソン乳剤を見てみる





まとめ


植物は一度根を生やしてしまったら、そこから移動することはできません。
その場の環境に合わせて生きていかなければならないのです。
ですから、いろんな外的攻撃に打ち勝つ免疫力を長い進化の中で確立してきました。

要するに、植物はもともと持っている免疫力で病害虫に負けないようになっています。

昨今の異常気象による病虫害や生理障害は自然現象なので、なかなか避けにくいことですが、肥料のやりすぎによる軟弱栽培が原因の病虫害や、風通しの良い栽培環境づくりなどは、自らの栽培技術向上で克服することができます。

毎日作物をよく観察し適切な栽培をして、病害虫に負けない元気で美味しい野菜づくりに努めましょう。


人気記事


これであなたも菜園家‼
是非読んでいただきたい人気の記事です。

🔗日陰だって大丈夫‼︎家庭菜園やベランダ菜園の日陰でも育てられる野菜
🔗翌シーズンも芽が出る出る!残ったタネの劣化を防ぐ保存方法
🔗種まきは4つの条件を揃えれば芽が出る!発芽を成功させる方法とコツ
🔗家の庭を野菜畑に!まる1日で野菜の作れる家庭菜園にする
🔗酸性土壌が危険な本当の理由と仕組みについてはこちらから
🔗オーガニックは地球を救う‼有機栽培・オーガニックの本当の意味についてはこちらから
🔗有機質肥料が根に吸収されるまでの微生物の働きについてはこちらから
🔗プランター栽培 おすすめ培養土5選についてはこちらから
🔗乳酸菌で土づくりについてはこちらから
🔗良い堆肥 悪い堆肥についてはこちらから


参考文献


いつも参考にしている家庭菜園の教科書です。
よかったら読んでみてください。









最後まで読んでいただきありがとうございます。ポチッとおしてもらえると嬉しいです
↓↓↓

にほんブログ村 花・園芸ブログ 野菜のみ(家庭菜園)へ
スポンサーサイト



スポンサーリンク

Last Modified : 2019-11-26

Comment







管理者にだけ表示を許可