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乳酸菌で土づくり



11・26・表紙



土の中には1グラムあたり30億個の微生物がいます。
いったん植物が土中に根を伸ばし、地表に茎葉を出し始めると、微生物は根や茎葉の周りにに集まってきて、植物の成長を助けたり、病害虫から植物を守ってくれます。
反対に、植物は微生物の成長に必要な養分を提供し、持ちつ持たれつの関係が成立しています。

これらの植物にとって有用な微生物がそれぞれどんな働きをしているのか見ていきます。





乳酸菌とは


乳酸をつくる細菌類の総称を乳酸菌と呼びます。
ヨーグルトなどの乳製品によく含まれている動物性乳酸菌や、竹や米ぬかにたくさん含まれる植物性乳酸菌があります。
畑で役立つのは『ラクトバシラス』という乳酸菌です。


乳酸菌のはたらき


乳酸菌が糖類を分解してつくる乳酸はpH4.5以下の酸性なので抗菌効果があり、葉面でも土壌中でも病原菌の繁殖をおさえてくれます

乳酸菌は、土壌中で植物性有機物を効率よく分解して土を肥沃にします。

乳酸菌を餌として食べるアメーバや粘菌類などの善玉菌を増やし、土壌バランスを整えます。

堆肥発酵やボカシづくりにおいての乳酸菌のはたらきは、こうじ菌や納豆菌がつくった糖をエサに増殖し、乳酸をつくります。
乳酸は強酸性なのでpHが下がり、酸性を好む酵母菌が増殖しやすい環境を作ります。

酵母菌はアミノ酸、ホルモン、ビタミンなどをつくります。乳酸菌がつくる有機酸はこのミネラルなどをを溶かしたり、キレート化したりして、植物に吸収しやすくしてくれます。


乳酸菌の増やし方


乳酸菌の餌となる米ぬかや米のとぎ汁を畑に直接まく方法がもっとも簡単です。

自分の手で増やすなら米のとぎ汁に含まれる乳酸菌を利用して増やす方法があります。糖分を加えることで乳酸菌が元気になり増殖が進みます。



米のとぎ汁で乳酸菌液をつくる


米のとぎ汁を原料に、使い道の多い乳酸菌液を簡単につくることができます。

準備するもの
・ペットボトル(1.8~2ℓ)1本
・米2~3合
・水2ℓ
・黒糖30g(グラニュー糖でも可)
・粗塩10g

1、ボウルに水を入れ米を洗う。最初に出る濃いとぎ汁を使う。乳酸菌が多く含まれます。
2、とぎ汁に黒糖を加える。糖分が乳酸菌の餌になる。
3、粗塩を加える。塩分でほかの菌の増殖を抑える。
4、よくかき混ぜ、ペットボトルに移し替える。乳酸発酵は酸素があったほうが進むので、満タンにせず空気を入れておき、ふたも少し緩めておく。

日陰の暖かいところに置いておけば、約1週間で完成します。
完成後は、冷蔵庫などで保管し、早めに使い切ります。

発酵は、まず失敗することはありませんので、有用菌培養の入門編としてチャレンジしてみましょう。


使い方


とぎ汁乳酸菌液の上澄みを10倍に薄めて、葉面に散布し、病原菌を減らします。

土づくりの時に、原液を直接散布します。土壌中の乳酸菌は、植物性有機物の分解を促進し土を肥沃にします。また、自ら餌となり善玉菌を増やし、土壌生物のバランスを保ちます。

散布しすぎると土壌中の有機物が減って土が固くなるので、半年に数回の使用にとどめましょう。


まとめ


乳酸菌は、人の体内でも、土壌中でも、それぞれの良い環境を保ってくれるとっても有用な微生物です。
しかも身近にあるもので手軽に利用できて、土づくり効果が高いとくれば、利用しない手はないですね。

乳酸菌を利用した土や堆肥が多く販売されています。
自分の畑に合った土壌改良剤を探しましょう。



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温暖化と家庭菜園


野菜は、日光が大好きです。特に夏野菜は日光と温度を要求しますが、昨今の猛暑、酷暑の中では気温の上がり過ぎにより、元気がなくなり成長が弱まったり、病害虫が多発したりします。日光は好きでも異常な暑さは好きではないようです。

地球温暖化が原因とされるこの暑さですが、下記写真資料にある通り1960年代から暑さが顕著になりはじめています。植物の進化はもっともっと長いスパンですから、温暖化のスピードに植物の進化が追い付いていないというのが現状のようです。

将来、人間にとっても植物にとっても過ごしやすい夏に戻ってくれるのが一番良いのですけど、どうなることやら。現状ではこの暑さにも負けない品種の改良を待つしかないのでしょう。

日本の夏は徐々に暑く、長くなっている (東洋経済ONLINEより)
2019-11-23 資料



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参考文献


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コラム 有機質肥料・完熟堆肥・ボカシ肥料のこと


野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。

注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。



有機物が投入されると活発になる微生物

微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します

このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。

化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。



分解しやすい物質と分解しにくい物質

有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます

有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。

さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。

分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。



どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)

有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。

水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。

腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。

腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。



ボカシのすすめ

発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。

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数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。

ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。



 





 
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Last Modified : 2020-01-23

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