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イチゴの防寒



12・20・1



イチゴは冬の寒さにあたらないと、春に甘くておいしい実ができないといわれます。
でも0℃以下になると寒さで枯死する可能性もあるようです。
どうしたらいいんでしょう…
寒い冬の一季なりイチゴの管理について調べてみました。




寒さにあたらないといけない理由


イチゴは、9月の気温と日差しの長さ(日長)を感じ取って、翌年の花芽が作られます
これを『花芽分化』と呼びます。
ちなみに、四季なりイチゴは真夏と真冬以外は通年花芽分化します。

さて、10月に畑やプランターに定植したイチゴの苗は、11月中旬まで成長しますが、寒くなってくると上に向かって伸びていた葉も地際を這うような姿になり(ロゼットと呼びます)、やがて春まで休眠状態になります。

休眠状態になり0℃~5℃の低温に一定期間あたることが休眠から覚める条件になります。
休眠から覚める条件に達することを『休眠打破』といいます。

どれぐらい0℃~5℃の低温にあてたらよいのかは品種によって違いますが、『とちおとめ』や『あきひめ』などは0~200時間、休眠の深い寒い地方の品種で1000時間を超えるものもあるようです。

この期間低温にあたらないと休眠から覚めず、春に元気に成長できなくなりますから注意が必要です。

花芽分化→休眠→休眠打破→開花→結実

上記がイチゴの秋から春の流れになります。


イチゴが春に甘くておいしい実になるには


休眠状態のイチゴでも、葉では光合成をおこなっています。
光合成によって作られた糖やデンプンは、根にたっぷり蓄えられ、春の成長に使われるのです。

寒いからといって早い段階で防寒すると根の充実を妨げることになり、元気で丈夫な株にならない可能性があります。


どこまで防寒対策をするか


イチゴは寒さには比較的強いですから、0℃以下の環境でなければ、防寒せずに冬を越すことができます。
しかし、年によっては記録的な寒さがが続くこともありますから、株の凍結を防ぐ程度の防寒対策をすると良いでしょう。


敷きわらでマルチング


地温が下がり過ぎないように、敷きわらなどでマルチングをすると凍結枯死を防ぐことができます。

プランター栽培など移動できる場合は、北風の当たる場所や冷え込みの強い場所を避けるように設置しましょう。

▷▷イチゴ栽培用プランター『ハーベリーポット』を見てみる


普通なら春に実がなるイチゴが真冬の12月に店頭にならぶのは…


花芽分化→休眠→休眠打破の流れがイチゴの生理現象なのですが、強制的に早く寒さにあてたり、ハウスで保温したり、光をあてたりして、このイチゴの生理現象の時期をずらすことが可能です。
このことで、都合のいい時期に実を収穫することができます。

半促成栽培促成栽培と呼ばれる栽培方法ですが、「クリスマスにはイチゴのケーキが食べたい!」という消費者のニーズに答えようと、農家の方たちが真剣に取り組んできたからこそできた栽培方法です。
頭が下がります。

まとめ


品種にもよりますが、低温にあてる期間から逆算すると、1月中旬から下旬までは、0℃~5℃の低温にあてたほうがよさそうです
2月の厳寒期は、気温の様子を見ながら防寒するようにしていくと良いでしょう。

私のイチゴは5月初旬に初収穫し、5月中旬には最盛期を終えてしまいました。
来シーズンは、早めにシートで保温して花の開花を早め、収穫量を増やそうとたくらんでいます。


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コラム 有機質肥料・完熟堆肥・ボカシ肥料のこと



野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。

注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。



有機物が投入されると活発になる微生物

微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します

このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。

化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。



分解しやすい物質と分解しにくい物質

有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます

有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。

さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。

分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。



どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)

有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。

水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。

腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。

腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。



ボカシのすすめ

発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。

🔗7日で完成 米ぬか・もみ殻 ボカシ・堆肥づくり/好気性発酵 はこちらから



数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。

ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。



 


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Last Modified : 2019-05-28

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