FC2ブログ

ゆっくり家庭菜園

TOP >  家庭菜園を学ぶ >  酸性土壌が危険な本当の理由と仕組み

スポンサーリンク

酸性土壌が危険な本当の理由と仕組み



2018・1・23・1




『作物はpH5.5~6.5で育てます。土が酸性にならないように2週間前に石灰を入れておきましょう』と作物の作り方によく出てきます。
酸性といわれると悪いイメージが先行し、よく理由も考えずに石灰を施していましたが、酸性の土は何がそんなに良くないのか調べてみました。

なぜ土は酸性化するのか


世界の国々は、気候風土により酸性土壌とアルカリ性土壌に分かれます。日本の土は、ほとんどの土地が酸性寄りです。一方、地中海沿岸やイタリアなどはアルカリ性土壌になっています。

雨水には空気中の二酸化炭素が溶け込んでいて弱酸性になっています。雨の多い日本はその影響を受け酸性に傾いていきます。

雨によって土中のアルカリ分(石灰分)が流れてしまい、酸性に傾いていきます。

畑では硫安など硫黄を含む酸性の化成肥料が多く使われているので、酸性に傾いていきます。

作物自体も根から水素イオンを放出しています。これにより酸性に傾いていきます。


pH(ペーハー)とは水素イオンの数量


pHとは、水素イオンの数量(濃度指数)のことです。土壌pHは、土壌中にどれだけの水素イオンがあるのか、と理解してもらうとわかりやすいです。

水素イオンが多いほど酸性に傾いていきます。(pHの数字は小さくなります)
例 pH5とpH8では、pH5の方が数字は小さいですが、水素イオンの数量は多いです。


土壌が酸性に傾くと何が起こるか


土中の栄養素は、腐植や粘土とくっついて土中に留まることができます。水素イオンも同じように腐植や粘土とくっついて土中に留まります。

もし、土壌が酸性に傾き水素イオンが多くなると、栄養素と水素イオンで腐植・粘土の取り合いになります。くっつくことができなかった栄養素は、土中に留まることができずに流れ出てしまうことになります。

これでは、いくら肥料を施しても、くっつく所のない栄養素は流れ出てしまうのです。栄養が十分に摂れなくなった作物には、さまざまな障害が出てきます。

これが、酸性土壌が危険な本当の理由です。酸性だから根や葉が溶けちゃうんじゃないか、身体に悪い物質ができてしまうんじゃないか、などと考えていませんでしたか?


石灰投入は水素イオンを減らし、栄養素がくっつく腐植や粘土を確保すること


石灰が投入されると、腐植・粘土とくっついていた水素イオンは、石灰から分離した水酸化物イオンとくっつき水となって流出します。その結果、腐植・粘土に空きができます。この空きのできた腐植・粘土に栄養素がくっつき、栄養素は土中に留まります。

このように、石灰投入により水素イオンが減り(アルカリに傾き)、栄養素が留まるようになると、作物にも十分な栄養が行き渡るようになり、改善されます。

ここで気を付けなければならないのは、過剰な石灰投入はアルカリ性に傾けすぎる可能性があるということです。

多くの作物の適正ペーハー値は5.5~6.5の弱酸性です。毎回多くの石灰を投入していると、この値を超えてアルカリ性に傾く可能性があるのです。

酸性、アルカリ性のどちらに大きく振れても作物には危険なのです。


畑のpH値を知る


重要なことは、いわれるがまま栽培のたびに石灰を投入することではなく、畑の土が今どれくらいの酸度なのかをしっかり知ることです。

専門的でも簡易的でもいいですから、自分の畑のおおよそのpH値を知り、酸・アルカリのどちらにも傾き過ぎないように調節してあげることが大事です。

・JAでは本格的な土壌分析を行ってくれます。pH値だけでなく、いろんなデータが出ますのでとっても参考になります。

▷JAの土壌診断を見てみる

・土壌診断キッドです。最低限必要なデータを計測できます。

▷土壌診断キッドを見てみる

・土にさすタイプの一般的なpH測定器です。5000円以内で購入できてお手頃です。
さすだけなので簡単です。

▷土壌酸度計を見てみる

・理科の実験のように水に混ぜて色で測定します。水質検査もできますね。
価格も1000円以内です。約45回検査できます。

▷アースチェック液を見てみる

まとめ


土が酸性に傾くことによって、養分が流出しやすくなって作物に障害が出ること、石灰を投入する=pH値を正常にすることで、その流出を止めることができることがわかりました。

土の中はどんな状態になっているのか、目で確認することはできません。しかし、地温計やpH測定器など比較的安価に手に入れることができるもので土の中が数値として見えてきます。この数値で『自分は今土や作物に何をすべきか』がわかってきます。

スコップや鍬、バケツやじょうろを揃えるように、地温計やpH測定器などは是非持っておきたいツールです。


人気記事


これであなたも菜園家‼
是非読んでいただきたい人気の記事です。

🔗日陰だって大丈夫‼︎家庭菜園やベランダ菜園の日陰でも育てられる野菜
🔗種まきや植え付けにメネデール 家庭菜園で効果のある使い方
🔗翌シーズンも芽が出る出る!残ったタネの劣化を防ぐ保存方法
🔗種まきは4つの条件を揃えれば芽が出る!発芽を成功させる方法とコツ
🔗家の庭を野菜畑に!まる1日で野菜の作れる家庭菜園にする
🔗酸性土壌が危険な本当の理由と仕組みについてはこちらから
🔗オーガニックは地球を救う‼有機栽培・オーガニックの本当の意味についてはこちらから
🔗有機質肥料が根に吸収されるまでの微生物の働きについてはこちらから
🔗プランター栽培 おすすめ培養土5選についてはこちらから
🔗乳酸菌で土づくりについてはこちらから
🔗良い堆肥 悪い堆肥についてはこちらから


参考文献


いつも参考にしている家庭菜園の教科書です。
よかったら読んでみてください。









最後まで読んでいただきありがとうございます。ポチッとおしてもらえると嬉しいです
↓↓↓

にほんブログ村 花・園芸ブログ 野菜のみ(家庭菜園)へ



コラム 有機質肥料・完熟堆肥・ボカシ肥料のこと



野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。

注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。



有機物が投入されると活発になる微生物

微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します

このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。

化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。



分解しやすい物質と分解しにくい物質

有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます

有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。

さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。

分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。



どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)

有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。

水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。

腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。

腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。



ボカシのすすめ

発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。



数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。

ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。



 





 

スポンサーリンク

Last Modified : 2019-12-01

Comment







管理者にだけ表示を許可