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酵母菌で土壌改良



11・24・表紙



土の中には1グラムあたり30億個の微生物がいます。
いったん植物が土中に根を伸ばし、地表に茎葉を出し始めると、微生物は根や茎葉の周りにに集まってきて、植物の成長を助けたり、病害虫から植物を守ってくれます。
反対に、植物は微生物の成長に必要な養分を提供し、持ちつ持たれつの関係が成立しています。

これらの植物にとって有用な微生物がそれぞれどんな働きをしているのか見ていきます。





酵母菌とは



堆肥やボカシ肥料の発酵をスムーズに進める働きをします。

葉面を覆って病原菌の拡大を防ぎます。


酵母菌のはたらき



パンがフカフカに膨らむのは、小麦粉に閉じ込められた酵母菌が、糖分を食べて二酸化炭素を放出し、パンに空気を含ませるからです。
同じように、土の中に酵母菌が多くいて、多くのの二酸化炭素を放出してくれれば、土にたくさんの空気を含ませることができ、フカフカな土壌になります
土壌の理想的な比率、土:水:空気=4:3:3に近づけます。

根の周辺で酵母菌が死ぬと、酵母菌のカラダから、アミノ酸・ミネラル・核酸・植物ホルモン(花を大きくするオーキシン)・ビタミンなどの生理活性物質が放出され、植物は栄養素として吸収します。

植物ホルモン(オーキシン)を生成し、花を大きくします。実がなる野菜(トマトやキュウリ等)では酵母菌がよく使われます。

葉面などで酵母菌が増えることで、病原菌の繁殖を抑えてくれます。


みかんの皮で酵母液を作る



《材料》

みかんの皮 適量
黒糖 大さじ1(グラニュー糖でも可)
酢 大さじ1
水 400ml(水道水は半日くみ置きしたもの)

1 みかんの皮は乾燥させないで生のまま使う。ちぎって細かくし容器に入れる。
2 酢大さじ1を加える。酸性にすることでほかの菌の増殖を抑える。
3 黒糖大さじ1を加える。
4 容器の9割くらいまで水を入れ、よく混ぜる。発酵が進むと気体が発生するのでふたは少し緩めておく。

日陰の暖かい場所に置く。2~3日で完成する。
甘くさわやかな香りがする。
冷蔵庫で保存する。


酵母液 使い方のコツ



堆肥やボカシ肥料をつくるときには、酵母培養液を最初に散布しておくと、発酵がスムーズに進みます。

雨が降った後は、病原菌が繁殖しやすいので、雨が降る前に散布して酵母菌を先に増やしておきます
病気が発生してから散布しても効果は期待できません。

柑橘類の皮に含まれるリモネンなどの物質はアオムシなどの害虫を忌避する効果が期待できます。


まとめ



酵母菌は、土の中では有機物を活発に分解し、二酸化炭素を出して土をフカフカにし団粒構造に近づけてくれます。
酵母液を散布することによって、葉面では酵母菌が増殖し、他の病原菌の繁殖を抑えてくれます。
土がすぐに硬くなってしまうような畑の土壌改良剤としておすすめということができると思います。

詳しくはやさい畑 2017年 02月号 で紹介しています。



酵母菌を利用した用土や肥料が多く販売されています。
畑に合った土壌改良剤が見つかるといいですね。
▷酵母菌入り土壌改良剤を見てみる


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よかったら読んでみてください。









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コラム 有機質肥料・完熟堆肥・ボカシ肥料のこと



野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。

注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。



有機物が投入されると活発になる微生物

微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します

このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。

化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。



分解しやすい物質と分解しにくい物質

有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます

有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。

さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。

分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。



どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)

有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。

水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。

腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。

腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。



ボカシのすすめ

発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。

🔗7日で完成 米ぬか・もみ殻 ボカシ・堆肥づくり/好気性発酵 はこちらから



数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。

ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。



 





 
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Last Modified : 2019-05-28

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